先日発達障害当事者であるしーたさんの講演会
【 発達凸凹を活かそう!~「弱み」をだれにも負けない「強み」に変えるために~ 】
へいってきました!(2018年9月12日、in伊丹市立子ども発達支援センターあすぱる)
講師の「しーた」さんはアスペルガー症候群の診断を受けており、自分の体験を分かりやすく伝えながら、発達障害当事者や親への啓発活動、「楽信会」という個別指導塾で不登校や発達障害への支援などをされています。(下記リンク参考)
一般に発達障害には能力の凸凹(得手不得手の差が大きいこと)が知られており、苦手をカバーし、得意を活かす、ということが言われています。
もちろん、私も支援者の端くれとして、このことを意識し、支援にあたているつもりでした。
しかし、しーたさんの講演で「多くの保護者(当事者)は自分の苦手にばかり着目し、普通に出来ていることを見落としている」、「苦手は徹底的に避け、得意はこれまで通り使い、普通を少し伸ばす、そうすることで上手くいく」という話を聞き、自分のものの見方に気づかされました。
自分も含め、支援者の多くは「障害」や「疾患」として発達障害に関する知識や支援方法を学びます。そのためどうしても「苦手をカバーする」「問題を解決する」という視点に立ち、良いところを見つける視点がおろそかになりがちです。そして、問題解決に焦点を当てがちなため、「普通にできていること」を見落としがちな傾向があります。
例えば私は知能検査の所見を書くときに、苦手に関する記述、支援方法、そして得意な能力に関して書きます。しかし、分量としてはどうしても苦手に関する支援の記述が多くなっていると気づかされました。「普通」の能力に関しては一切記述していないこともあります。
昨日のしーたさんの講演を聞いて、自分のこういった認識に改めて気づかされました。
「苦手を克服しましょう」というメッセージはもっともであるがゆえに、正面から拒否できず、苦しい思いをすることになるかもしれませんが、「普通にできていることも沢山ありますよ。そのことを少し伸ばしていくだけで、生活がずっと楽になりますよ」というメッセージは自尊心を回復し、これからに向けて、「なんとか出来るかもしれない」という明るいイメージをもつことが出来ると思います。
「みんながやっている方法でなくてもいい」
「あなたが、あなたに合った方法でやればいい」
そういうメッセージでもって、これからの支援業務にあたりたい、
そんな風に思わせてくれる講演でした。
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